犬服を選ぶときに意外と大切なのが「生地の素材」です。
デザインや形に目がいきがちですが、素材によって肌触りや快適、お手入れのしやすさが大きく異なるので、用途に応じて選び分けるのがベターです。
この記事では、犬服の生地の選定もしている筆者が、犬服によく使われる素材の特徴とメリット・デメリットをまとめています。
早見表|犬服によく使われている素材と特徴
繊維の違い | 肌触わり | 通気性 | 伸縮性 | 耐久性 | |
コットン(綿) | 天然繊維 (植物性) | やわらかい | とても良い | 普通 | 摩擦に弱い |
リネン(麻) | 天然繊維 (植物性) | さらっとしてる | とても良い | 伸びない | とても丈夫 |
ウール | 天然繊維 (動物性) | やわらかい | 良い | 普通 | 虫食い注意 |
ポリエステル | 化学繊維 (合成繊維) | 加工による | 良くない | 加工による | とても丈夫 |
ポリウレタン | 化学繊維 (合成繊維) | やわらかい | 普通 | よく伸びる | 劣化しやすい |
ナイロン | 化学繊維 (合成繊維) | やや硬め | 良くない | 普通 | とても丈夫 |
レーヨン | 化学繊維 (再生繊維) | なめらか | とても良い | あまり伸びない | 水に弱い |

混紡(複数の繊維を組み合わせる)や加工方法で、肌触りや伸縮性は変わるよ!犬服は混紡の生地を使うことが多いよ!
コットン(綿)


コットンは、綿花から作られる天然繊維で最もポピュラーな素材です。
通気性や吸湿性、保温性に優れているので、オールシーズン着用できるのがポイント。
コットンのメリット
- 天然素材で肌に優しい
- 通気性・吸湿性・保温性に優れている
- オールシーズン着用できる
- 静電気が起きにくい
コットンのデメリット
- シワやヨレが出やすい
- 洗濯すると縮む
- 乾きにくい
- 伸縮性がイマイチ



普段着や部屋着としておすすめ!
お肌が敏感な子やパピー・シニア犬でも安心して着用できるよ◎
犬服に最適なコットン生地
コットンと言っても、編み方によって肌触りや厚み、伸縮性、用途などが大きく異なるので、季節や用途に応じて使い分けると良いでしょう。
特徴 | |
天竺 | 薄手でベーシックなTシャツ生地。春~秋におすすめ。 |
スウェット | 厚みがありトレーナーやフーディーに使用される。秋~冬におすすめ。 |
パイル | タオル生地で肌触りが抜群。春~夏におすすめ。 |



個人的には「コットン×ポリウレタン混」が超おすすめです!
コットン100%だと伸縮性が物足りないので、ウレタン混で伸縮率UP◎
リネン(麻)


リネンは、亜麻の茎から作られる天然繊維で、シャツやブラウス、カーテンなどに使われる素材です。
さらっとしていて通気性も良く、コットンよりも耐久性に優れいるのがポイントです。
リネンのメリット
- 天然素材でさらっとした肌触り
- 通気性・速乾性が抜群
- 天然の抗菌性・防臭性
- 丈夫で長持ちする
リネンのデメリット
- やや硬さやハリがある
- シワになりやすい
- 伸縮性がない
- 縮みやすい



リネンは耐久性もありシャリ感がおしゃれで可愛いものの、伸縮性がないことが犬服にとっては大きなデメリットです。
「ソフト加工やコットン混、ポリウレタン混」を選ぶと快適さUP◎
ウール


ウールは羊毛から作られる天然繊維でセーターやカーペットなどの冬向けの製品に使われる素材です。
保温効果が非常に高く、吸湿性にも優れており、シワになりにくいのもポイントです。
ウールのメリット
- 弾力のある天然素材
- 保温性が抜群
- 吸湿性があり蒸れにくい
- 静電気が起きにくい
ウールのデメリット
- チクチク感がある
- 虫に食われやすい
- 伸縮性があまりない
- 縮みやすい



ウールは伸縮性がイマイチ&チクチク感が気になるところ。
暖かさと快適さを両立できる「ポリウレタン混」がおすすめです。
ポリエステル


ポリエステルは石油由来の合成繊維で、丈夫で扱いやすい素材です。
低コストで生産できるわりに、シワがつきにくく耐久性も高いため、多くの衣料品で使われています。
ポリエステルのメリット
- 耐久性が高い
- 軽量で型崩れしにくい
- 縮みにくい
- 速乾性がある
ポリエステルのデメリット
- 静電気が起きやすい
- 通気性が良くない
- 肌触りが硬め
- 化繊負けすることがある
犬服に最適なポリエステル生地
特徴 | |
フリース | 軽量で保温性が高いフリース生地。秋~冬におすすめ。 |
メッシュ | 夏向けのクールウェアに使用されることが多い。 |
タフタ | 撥水加工がしやすいハリのある生地。レインコートによく使われる。 |



ポリエステルなどの化学繊維は肌への刺激となる「化繊負け」に要注意なので、敏感肌の子は避けるのがベターです。
こちらも、耐久性と快適さを両立できる「ポリウレタン混」がおすすめです。
ポリウレタン


ポリウレタンは合成繊維の一種で、ゴムのようによく伸びることが最大の特徴です。
伸縮性が重視される犬服では必須とも言える素材です。
ポリウレタンのメリット
- 伸縮性が抜群
- 型崩れしにくい
- 柔らかい肌触り
- 摩擦に強く縮みにくい
ポリウレタンのデメリット
- 紫外線や熱に弱い
- 通気性が良くない
- 経年劣化が起こりやすい
- 化繊負けすることがある



伸縮性抜群のポリウレタンは犬服では必須の素材ですが、単体で使われることはなく混紡が基本です。
犬服選びに迷ったら「コットン×ポリウレタン」がベスト!
ナイロン


ナイロンは石油由来の合成繊維で、非常に丈夫なことからアウトドア系やスポーツ系の衣料品に多く使用されています。
撥水性にも優れているので、犬服ではレインコートやジャケットにベストな素材です。
ナイロンのメリット
- 耐久性が抜群
- 軽量で薄い
- 撥水性・防水性が高い
- 速乾性が高い
ナイロンのデメリット
- 静電気が起きやすい
- 通気性が良くない
- 伸縮性はイマイチ
- 化繊負けすることがある



耐久性と撥水性が強みのナイロンは、レインコートやアウトドアウェアにはマストな素材です。
ただし、単体では伸縮性がイマイチなので「ポリウレタン混」がベスト!
レーヨン


レーヨンは化学繊維の一種ではあるものの、木材パルプを化学処理して作る再生繊維です。
肌触りがとても柔らかく、ドレープを生かしたデザインに向いているおしゃれ素材です。
レーヨンのメリット
- 肌触りが柔らかい
- 通気性・吸湿性が高い
- 接触冷感性がある
- 薄手で軽い
レーヨンのデメリット
- 水に弱い
- 通気性が良くない
- 伸縮性はイマイチ
- 耐久性が低い



レーヨンは単体では劣化しやすいので混紡が基本。
接触冷感性があるので、夏の暑さ対策としても◎
まとめ|季節・用途別おすすめ素材
用途 | おすすめ素材 | 季節 |
普段のお散歩用 | ・コットン×ポリウレタン混 ・天竺ニット(コットン) | 春・秋 |
・メッシュ ・接触冷感加工の生地 ・リネン | 夏 | |
・スウェット ・ウール混 ・フリース | 冬 | |
室内用 | ・天竺ニット(コットン) ・レーヨンやモーダル混 | 夏(冷房対策)・冬 |
雨の日 | ・ナイロン(撥水加工) ・ポリエステル(撥水加工) | 通年 ※夏のレインコートは裏地メッシュがおすすめ |
アクティブな日 | ・ポリウレタン混(高伸縮) | 通年 ※夏は蒸れに注意 |
上記は一例ではありますが、このように季節や用途に応じて、生地や素材を選んであげるとわんちゃんの快適さもUPします。
また、愛犬の特徴(寒がり、被毛の長さ・多さなど)やパピー・シニア犬、敏感肌などの場合は、化学繊維よりも天然繊維(綿や麻)が安心ですので、その子に合ったものを選ぶようにすることをおすすめします。



デザインも大切ですが、使われている素材にもぜひ注目してみてください!
もし迷ったら「コットン×ポリウレタン混」をお試しください

