みなさんは犬服を選ぶ時に「縁の仕立て方」を気にしたことはありますか?
実は、縁の仕上げ方には種類があり、首回りや袖口、裾の処理方法によって、服の着心地・見た目などが大きく変わります。
この記事では、犬服でよく使われる4つの仕様「リブ」「パイピング」「カバーステッチ」「同生地」について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
1. リブ仕上げ
リブの特徴
リブとは、伸縮性が強いゴム編みのような生地で首周りや袖口、裾に使われることが多く、伸び縮みすることでフィット感が出せる素材です。

人の服では、Tシャツの首周りやパーカーの袖口と裾などに多く使われています。
リブのメリットとデメリット
メリット
- 動いてもずれにくく、フィット感がある
- 伸縮性があるので着せやすく、脱がせやすい
- 少し体型が違ってもカバーしやすい
- カジュアルな雰囲気に仕上がる
デメリット
- 締めつけが苦手な子は嫌がることがある
- 着用頻度が多いとヨレてくる
- 可愛い系、フォーマル系には向かない



動きやすさや着脱の簡単さを重視するなら、リブ仕上げ一択です。
リブ生地は伸縮性とフィット感を考慮して、縫い付ける部分の85~90%程度の長さにして縮み縫いがベスト!
2. パイピング仕上げ
パイピングの特徴
パイピングとは、端を布でくるんで仕上げる方法で、色や柄を変えることでアクセントにもなります。



よく聞く「バイアステープ」はパイピングをするための材料そのものを意味します。
パイピングのメリットとデメリット
メリット
- ほつれ防止や補強に最適
- 色や柄を変えてアクセントにできる
- 曲線も綺麗に仕上がる
デメリット
- 伸縮性は素材次第で変わる
- 生地が重なるので厚みが出る
- つなぎ目の処理が雑なことがある



ほつれ防止とデザイン性を両立できる仕上げ方法で、ベビー服にもよく使われます。
初心者さんには少々難易度が高いので、市販のバイアステープを使うのがベター◎
伸縮性のあるテープを使うと、快適さがアップします。
3. カバーステッチ仕上げ
カバーステッチ(ダブル・トリプル)の特徴
カバーステッチとは、表側に平行に2本または3本のステッチと裏側にループ状の糸が出る縫い方で、袖口や裾の仕上げによく使われます。
1本の場合は、裏側が鎖のような縫い目になるチェーンステッチになります。



直線縫いと違って、伸縮性にも対応できるのがカバーステッチです。
カバーステッチ(ダブル・トリプル)のメリットとデメリット
メリット
- 丈夫でほつれにくく、見た目も綺麗
- 伸縮性に対応できるので動きやすさも保てる
- 糸がループ状に絡むので洗濯してもヨレにくい
デメリット
- ステッチ部分は生地が二重になるのでやや厚みがでる
- 着脱の際にループ状の糸が爪がひっかかる可能性あり
- 糸が切れると一気にほどけやすくなることがある



犬服では、袖口に使われることがほとんどで、首周りや裾にはあまり使われません。
縫い代をきちんとアイロンで固定してから縫うと幅が均一で綺麗に仕上がります。
※カバーステッチミシンは特殊なミシンなので、趣味の範囲での製作であれば必要性は低いです
4. 同生地仕上げ
同生地の特徴
身頃と同じ生地を使って仕上げる方法です。



リブが合わないデザインの服は同じ生地を使って仕上げると統一感UP
同生地のメリットとデメリット
メリット
- 本体と同じ生地なので統一感がある
- ゴムっぽい感触や締め付けがないので、敏感な子でも嫌がりにくい
- リブよりも伸びにくく、形が安定しやすい
デメリット
- 伸縮性が少ないため、着脱しにくい場合がある
- アクティブな子には窮屈に感じることもある
- 体型差によるカバー力は低め



デザインに統一感を持たせるなら同じ生地で仕上げると綺麗です。
伸縮が少ない生地を使う場合は、首周りに余裕をもたせて作るのがおすすめです。
リブのようには伸びないので、ぴったりサイズで作ると頭を通しにくくなります。
まとめ
仕上げ方法別の比較
伸縮性 | デザイン性 | 耐久性 | 着脱のしやすさ | |
---|---|---|---|---|
リブ | ||||
パイピング | ||||
カバーステッチ | ||||
同生地 |
耐久性は縫製技術によっても変わります。
このように、犬服の縁の仕上げには様々な方法があり、それぞれの得意・不得意が異なります。
犬服選びではデザインやサイズ、価格に注目しがちですが、縁の処理の仕方でデザイン優先なのか動きやすさ優先なのかなども見えてきます。
次に犬服を選ぶときは、ぜひ「縁の仕立て方」にも注目してみてください