犬に服って必要なの？
「犬に服を着せるなんて、ただの人間のエゴじゃない？」
そんな声をよく聞きます。
確かに、犬は本来洋服を着なければならない生き物ではないですし、特に理由もなく「可愛いから着せる」、「家が汚れるから着せる」だけではエゴと考えてもおかしくはありません。
しかし、犬服には様々な役割があり、その子に合った犬服を選んであげることで、時には健康を守ることにつながります。
ただ可愛いだけじゃない、犬服の役割と、正しい選び方を解説していきます。
犬服の4つの大切な役割
① 【体温調節】暑さ・寒さから守る
小型犬や短毛の犬種の中は、特に寒さに弱い場合があります。
また、子犬やシニア犬、病中・病後のわんちゃんは体温調整がうまくいかないことも。
そんな子には、体温調節の補助として服が役に立つのです。
近年の犬服は、可愛いだけではない機能性のある素材で作られたものが増えており、適切に使うことでわんちゃんの健康を守ります。
夏の犬服選びの条件
- 通気性が良い（メッシュなど）：風通しがよく、体温がこもらないもの
- 吸湿性・速乾性が高い：皮膚トラブルを防ぐ
- 接触冷感加工：水で濡らし絞って着れるタイプや触るとヒンヤリするもの
- 防虫加工：蚊、ノミ、ダニなどから守る
- UVカット加工：紫外線から皮膚を守る
- 保冷剤ポケット：熱中症予防（特に短頭種）
夏は服を着ない方が快適な場合もあるので、わんちゃんの様子を細かくチェックしながら、適切に判断することが最も大切です。
冬の犬服選びの条件
- 保温性が高い（フリースなど）：首元やお腹も覆えるとより効果的（特にシングルコート）
- 防風性・防水性が高い（ナイロンなど）：雪が多い地域は撥水加工もあると良い
- ロンパース：全身をカバーでき、保温だけでなく汚れ防止にも◎
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②アレルギーや皮膚トラブルの予防・保護
皮膚が敏感な子やアレルギー持ちのわんちゃんには、服が「バリア」の役割を果たします。
掻きむしりを防いだり、外部の刺激（草や虫、花粉など）から守ったりと、獣医師が服の着用を勧める場合もあります。
アレルギーや皮膚が敏感な子の犬服選びの条件
- 肌に優しい天然素材：化学繊維は避けるのがベスト。コットンやオーガニック素材を選ぶと良い
- 縫い目やタグがフラットor外側：人間の赤ちゃん服のように肌に擦れる要素がないもの
- 通気性・吸湿性が高い：蒸れによる皮膚トラブルを防止
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③ケガや虫刺され・紫外線の予防
お散歩中の思わぬアクシデントや虫刺され、紫外線対策としても、服を着ていることで守れる健康があります。
虫刺されや紫外線は夏場だけのイメージがあるかもしれませんが、ノミやダニは条件次第では冬にも活動することがありますし、紫外線は春から徐々に強くなり始めます。
紫外線を長く浴び続けると日光過敏症という皮膚疾患を引き起こす可能性もあるので、予防するに越したことはありません。
④ 心の安心や非常時のケア
何らかの理由で一時的に預けることになったり、災害などで避難が必要になったりと、思いがけぬ非常時にも犬服が役に立つ場面があります。
洋服についたおうちの匂いで精神的に落ち着けたり、避難時の防寒着やマット代わりとしても使えるので、防災バッグに犬服も数枚備えておくことをおすすめします。
抜け毛や汚れの飛散防止にもなる
これは、人間よりのメリットになってしまいますが、服を着ていると抜け毛や汚れ対策にもなります。
- 公共施設や他所のお宅へお邪魔する際などに抜け毛対策のマナーとして◎
- 車内やおうちでの抜け毛対策：落ちた抜け毛の誤飲も防げる（わんちゃん自身やお子さんがいるご家庭）
- お散歩中の泥はねや砂埃、くっつき虫などの汚れを防ぐ
適切に着用するには「その子の個性に応じた選択」が大切！
このように、犬服は着飾るだけのアイテムではなく、時には健康を守るケアアイテムでもあります。
わんちゃんの個性や体型・体質に合った服を選び、適切に使い分けてあげることで、より快適な暮らしにつながります。
「うちの子に合うものは何だろう？」そう考えることが、いちばん優しい「おしゃれの第一歩」です。
