「愛犬に服を着せたいけど、うちの子は肌が弱くてかゆがっちゃう…」そんなお悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。
特に、アトピーやアレルギー体質、乾燥や摩擦に弱い子は、たった一枚の服でも赤みやかゆみの引き金になりがちです。
大切なのは「刺激を減らすこと」と「清潔を保つこと」。
この2つの観点から、皮膚が弱い子のための犬服の選び方を詳しく解説していきます。

犬服っておしゃれのための人間のエゴだと思われがちだけど、適切に使用すれば「皮膚を守るバリア」として役立つよ!
素材選びは「肌に触れる面」を最優先
皮膚が弱い子の犬服選びにおいて最も重要なポイントのひとつが「生地の素材」です。
できるだけ刺激を抑えたいので、以下のような肌当たりが柔らかく吸湿性の高いものが安心です。
皮膚が弱い・敏感肌な子におすすめの生地
コットン100%
- スムースニット(赤ちゃんの服にも使われる生地)
- ダブルガーゼ(洗うほど柔らかくなる)
- 裏毛(スウェットやパーカーによく使わる)
- 接結ニット(二枚の生地を点で留めて一体化させたニット)


コットン100%生地のメリット
コットンは天然繊維なので、お肌への刺激が少なく安心して着用できます。
汗や皮脂、蒸れを吸収してくれるので、皮膚トラブルを防ぎやすく、静電気が起きにくいところもポイントです。
特に農薬や化学薬品を使わないオーガニックコットンだとより安全です。
コットン100%生地のデメリット
コットンは伸縮性が物足りないので、アクティブな子には窮屈に感じることも。
その場合は、コットンの中でも伸縮しやすいニット編み(スムースニットや接結、フライス)がおすすめです。
また、洗濯で縮みやすいことや化学繊維に比べて摩擦に弱く、毛玉や擦り切れが出やすいというデメリットがあります。



どんな生地にもメリット・デメリットがあるので、その生地の特性を知っておくことが大切です◎
縫製がフラット&肌に触れる装飾がないものがベター
皮膚が弱い子にとっては、縫製や装飾もチェックしておきたいところです。
服の裏側は、犬の肌に直接触れる部分なので、できるだけ刺激を取り除いてあげたいですよね。
縫製&装飾のチェックポイント
- 糸で縫われていない無縫製仕様がベスト(ユニクロのシームレスシリーズのようなもの)
- フラットシーマ(生地の厚みが出にくい平らな縫製)で縫われているもの
- ベビー服のようにタグが外側に付いている、またはタグがないもの
- 首や袖口のリブはやわらかく、締め付けが強すぎないもの



無縫製の犬服や皮膚の保護に特化した服はまだまだ少ないのが現状です。
しかし、一般的な犬服でも少し手を加えることで、肌当たりを和らげることができます。
一般的な犬服でもできる工夫
- 縫い代の処理を工夫する(ロックミシンの縫い代を倒してステッチで押さえる)
- タグを外す(チクチク防止)
- 裏返して着用する(見た目は悪くなるものの、表側の方がフラット)
- ゆったりしたサイズ感を選ぶ(肌に擦れる部分を減らす)
- 部分的に当て布をする(脇やお腹など擦れやすい部分に、ガーゼやコットンの当て布を縫い足す)
洗濯・乾燥方法やお手入れも大切
皮膚が弱い子にとっては、日頃のお手入れも重要です。
洗濯やお手入れを工夫することで、皮膚を守るだけでなく服そのものも長持ちします。
今すぐ実践できるお手入れの工夫
洗濯の工夫
- 洗剤は無添加、低刺激のものを使う(赤ちゃん用洗剤が安心)
- 柔軟剤はNG(成分が残留しやすく、アレルギーのリスクになることも)
- 洗濯は手洗いがベター
- 洗濯機の場合は必ず洗濯ネットに入れる&弱水流コースで洗う
乾燥の工夫
- 乾燥機はNG(繊維が硬くなりやすく、縮みやすい)
- 直射日光を避ける(繊維の硬化や色あせを防ぐ)
お手入れの工夫
- こまめに洗う(皮脂やホコリの蓄積を防ぐ)
- 長時間の着用はしない(蒸れや擦れを軽減)
保管の工夫
- 清潔な場所に保管する(湿気やカビはNG)
- 防虫剤は使わない(使う場合は赤ちゃん用のものが安心)



少しの工夫で皮膚トラブルの防止&服も長持ちします。
見えない汚れもしっかり対策し、清潔な状態で着用させてあげましょう。
お手入れの工夫で服が長持ちする理由
弱水流×洗濯ネット使用
本来犬服は手洗いがベターですが、忙しい毎日の中で毎回手洗いもちょっと面倒に感じてしまうこともありますよね。
そんな時は、洗濯機のおしゃれ着コースや手洗いコースを活用しましょう。
弱流水コース×洗濯ネットで洗うことで摩擦を減らし、生地の毛羽立ちやほつれを防げます。
柔軟剤は使わない
一時的に肌触りが良くなるものの、成分が残留して繊維を弱くしてしまったり、化学成分でアレルギーを引き起こすリスクも否めません。
また、嗅覚が優れている犬にとって、強い香料は避けたいところです。
乾燥機は使わない
乾燥機の熱と圧力で繊維が収縮し、素材によっては著しく縮んでしまうことがあります。
また、高温で乾燥させることにより、生地が硬くなってしまうことも。
直射日光を避ける
直射日光で干したタオルがパキパキに乾いている経験はありませんか?
直射日光で一気に乾くと繊維の水分が急激に抜けて、硬く・張った状態になってしまい、繊維が硬化してしまいます。
これに紫外線のダメージも加わり、生地の劣化を早める原因になります。



犬服は、人の服に比べて生地量が少ないため、日頃のお手入れの影響を特に受けやすいと言えます。
上記のことは犬服に限ったことでなく、人の服にも共通しているので、ぜひ実践してみてください。
まとめ|肌にやさしい服は皮膚を守る服
犬服はおしゃれのためだけではなく、紫外線や虫刺され、寒さなどから守るという大切な役割もあります。
特に皮膚が弱い子には、見た目の可愛さよりも生地質やお手入れに重点を置いて選んであげると良いでしょう。
適切な服選びと日々のお手入れは、愛犬の皮膚トラブルを防ぐだけでなく、服の長持ちにもつながるので、ぜひ実践してみてください。



敏感肌な子の犬服選びやお手入れの仕方は、赤ちゃんの肌着と同じように考えるとしっくりくるかも!